おかぴーのビジネス・メンタルタフネスBlog

乳腺外科医おかぴーがそのなが~い診療経験と多種多様な人間との人付き合いからみた、ビジネスとメンタル・コミュニケーションについてのブログ。

人との出会いが自分の世界を変える。

9.11貿易センタービルテロリストを父や叔父にもつ、

「テロリストの息子」ザック・エブラヒム氏の講演をyoutubeで視聴した。

 

暴力を闘争の解決策として使うこと、それは決して平和をもたらさないことについてをメインに話をされていた。

詳しい論調は専門家に譲るが、

注目したのは、その考え方の変化。

話された内容に即して、書いていこうと思う。

 

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テロリズムの中では
一つのイデオロギー(思想、観念)に子供を味方につけて、
そのイデオロギーを強化しようとする。

 

過激主義の中で育った子供は

暴力が当たり前になる。

ただ育つだけでなく、親や本人が虐待された経験を持つということ。

その怒りが、いつか、暴力となって現れる。

 

実はイスラム教で言われるジハード(努力や奮闘)は、人によって異なる。

日本では聖戦と訳されることが多いが、本来はそうではなく、

家族を大切にすることなどの、目標に対して努力する、ということらしい。

 

彼は父親の過激なジハード遂行のため、子供の頃19回も引越しをし

また、アメリカに対しては性的な退廃、また超個人的である、

というイスラム社会の教育を受けた。

 

子供の頃、仲間外れやいじめにあっていた彼に、

渡米して初めてできた、ユダヤ人の友達。

同性愛の友人たち。

 

彼らに逆に癒され、そして、彼らの偏見のない眼差しにとても感銘を受けたという。

そして、人間の性格は宗教ではなく個人の嗜好や、

所属するコミュニティーによるものであるということに気づいた。

 

違うコミュニティーであっても、

コミュニティー同士で対話をすること、

同じ時間を過ごすことで、

理解をしあうことができる。

 

ISILのような組織は、コミュニティーから外れた人を集める。

恐怖を煽って、外れてしまった人を集めるのだ。

 

しかし、暴力で平和を作ることはできない。

 

自分の父親がやったことを恥じ、今まであったことを話せなかったが、

自分が話すことで

世界が抱えている問題を構成する

固定観念を壊すことができるのではないか。

 

そう思って話すことを決意した。

現在アメリカでは、一部でイスラム教徒への差別があり、

彼は今はイスラム教徒ではないそうだが、
しかし特異な経歴ゆえに、話すことに注目される。

こういう状況が、

父と自分は違うということを伝えた背景にあるようだ。

 

メディアについての問題も提示され、

3.11後のコントロールされた報道へも言及した。

 

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アメリカ大使館主催ということで、
裏読みをしたりする人もいるとは思うが、
人との出会いが、彼を変えた。

それは真実だと思う。

そして、常々感じるのは、どちらのコミュニティーも、
その観念を真実だと思って疑わない、そんな人たちからできている。

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